考え抜かれた動きに無駄がないオフィスの構造

THEME1 無駄がない動線と動きやすい空間

■職場の働きやすさはオフィスで変わる?!

オフィスの作りによって職場での働きやすさというのはかなり変わってきますので、企業としては社員の福祉を考え、業務の効率化を意識してオフィスを改善するというのは大切なことです。私は今までオフィスデザインをいろいろ手がけてきましたが、オフィスの構造や雰囲気が変わることで、社員のモチベーションが上がると同時に、仕事がよりしやすくなったという声を聞くことができています。確かに、オフィスのリモデルには時間とコストがかかりますが、それだけの価値が十分にあるものだと考えています。

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まず、考え抜かれたオフィスというのは動線に無駄がなく、非常に動きやすい空間が出来上がっているという点が挙げられます。 たとえば、社員全員が頻繁にプリンターを始めとするオフィス機器を使用する部署である場合、社員の誰からも行きやすい位置、 できればセンターもしくは等間隔に機器が配置されるように設計することができます。

また、社員同士の位置というのも大事で、 上司との適度な距離を持ちお互いにコミュニケーションが取りやすい形で配置していきます。現在は上司が部下たちからあまりに離れていたり、見えない個室にいたりすると効率が悪いという考えが主流になっていますので、上司と部下が緊密にコミュニケーションを取れる近い距離にあるというのは大事なポイントとなっています。

■心地よいインテリア

使用するオフィスインテリアの選定も欠かせない点です。人によっては長時間パソコンに向かって作業をすることが多くなっていますので、快適な状態で長時間仕事ができるインテリアを選ぶことがオフィスデザインでは必須となっています。今ではいろいろなオフィスが開発されていて、座った状態でも立った状態でも仕事ができるように机の高さを自由に変えられるものが出ています。姿勢を変えるだけで、腰痛を防ぐと共に集中力を持続する助けとなりますので、とても使えるインテリアです。日本ではまだあまり採用されていないタイプのインテリアですが、個々の好みに合わせて自由に姿勢を変えられるインテリアというのは今度さらに導入が進むと思います。私自身もこのタイプのデスクを使っていますが、とても快適で長い時間仕事をするのが楽になっています。

ドイツにあるインテリア会社 STUDIO STERNでは、心地よいインテリアのアイデアを考え、提供しています。

こちらのオフィスインテリアデザインはドイツ、ベルリンにあるアプリケーションやオンライン上でのマーケティング会社のものです。 オフィスに配置したインテリアの高さに合わせて、収納家具の高さも低めのものでまとめた事例です。これにより壁面が大きくひらけてスッキリし、 部屋全体が明るく、圧迫感のない空間になっています。

■STUDIO STERN

ドイツのインテリアデザイン事務所

こちらは日本の事例。黒のアトリエです。

このオフィスは岡山の建築設計事務所である神家昭雄建築研究室が手がけたものです。 緑があってとても落ち着いた空間です。壁面には蔵書がぎっしりと詰まっています。 明るさを押さえた室内に置かれた赤と白のお洒落なチェア。恐竜のオブジェが印象的。 また、外に大きく開いた開口から見える坪庭の明るさにより、開放的な空間を演出しています。 適度な緊張感を与える室内と自然がもたらす緩和が心地よいバランスを生み出しています。これは想像力がかきたてられそうです。

■神家昭雄建築研究室

岡山の建築設計事務所

■フロンティアコンサルティング

オフィスデザイン、事務所移転、内装工事などのレイアウト設計会社

こうしたオフィス設計というのは時代やそれぞれの事務所の必要、スペースの有無、コストなどによってかなり変わってきます。 リモデルの目的とオフィスの目指すところを意識して、デザイナーと話し合ってみると良いかと思います。

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